2026/10/17

袁天罡の称骨占いとは?史実から見た由来と、骨重(両・銭)の計算方法・伝統詩の読み方

称骨占いは袁天罡の作と伝えられてきましたが、『旧唐書』『新唐書』が記す袁天綱の姿と、後世に名を借りた伝承とは分けて考える必要があります。骨重(両・銭)の計算方法、称骨歌の原文と読み下し、52段階の表で確かめられることを解説します。

袁天罡の称骨占いとは?史実から見た由来と、骨重(両・銭)の計算方法・伝統詩の読み方

称骨占い(しょうこつうらない)は、生まれた年・月・日・時刻のそれぞれに決められた「骨重」を足し、合計の重さに対応する伝統詩(称骨歌)を読む、昔ながらの表引きの占いです。 後世の伝承では袁天罡(えんてんこう)の作とされ、この呼び名は広く定着していますが、「伝承でそう呼ばれている」ことと「作者だと史料で証明されている」ことは別の話です。

現存する正史から確かめられるのは、袁天綱(正史での表記)が唐の初めに実在し、人相見として名高かったことです。後世の、年・旧暦の月・旧暦の日・時刻の数値を足す重さの表を彼が作ったという記録はありません。そのため、称骨占いを「作者も年代もはっきりした唐代の発明」と言い切るには根拠が足りません。

骨重の計算方法と「両・銭」

いま広く使われている称骨占いでは、生まれ年の干支、旧暦の生まれ月、旧暦の生まれ日、記録されている出生時刻(十二支の刻)の四つの骨重を足します。重さの単位は両(りょう)と銭(せん)で、1両は10銭です。合計はふつう2両1銭から7両2銭のあいだに収まり、52段階の称骨歌のどれか一つに対応します。

自分で表を引くには、まず西暦の生年月日を旧暦と干支年に直す必要があり、ここがいちばん間違えやすいところです。

生年月日と出生時刻を入れて、骨重が何両何銭か、どの称骨歌に当たるかを調べる:旧暦への変換は自動で行われ、年・月・日・時の四つの内訳も表示されます。内訳は称骨の重さの早見表で一つずつ照らし合わせられます。

実例:5両3銭になる場合

1988年4月12日10時生まれ(架空)の場合、旧暦では戊辰年2月26日、時刻は巳の刻(9時〜11時)です。

項目内容骨重
年戊辰年1両2銭
月旧暦2月7銭
日旧暦26日1両8銭
時巳の刻1両6銭
合計5両3銭

1.2+0.7+1.8+1.6=5.3で、骨重は5両3銭です。旧正月より前に生まれた人は、干支年が前の年になることがあるので注意しましょう。

称骨歌の原文と読み方

称骨歌は七言四句の漢詩の形をしています。下の原文は当サイトの計算結果に表示されるものと同じ字形で、読み下しと現代語訳は分かりやすさを優先して付けたものです。

5両3銭の詩(上の実例)

此格推來氣象真,興家發達在其中,一生福祿安排定,卻是人間一富翁。

読み下し:この格、推し来たれば気象真なり。家を興し発達すること、その中に在り。一生の福禄は安排定まり、かえってこれ人間(じんかん)の一富翁なり。

現代語訳:この骨格を見ると、確かな勢いがある。家を興して栄えていく力がその中に備わっている。生涯の衣食と福はすでに整っていて、まさに世の中の豊かな人である。

もっとも軽い2両1銭と、計算上もっとも重い7両1銭

2両1銭は、年・月・日・時の四つがすべて表の中でもっとも軽い値のときだけに出る段階で、「短命非業謂大空」で始まる厳しい言葉の詩が当てられています。これは古い詩の言い回しで、実際の寿命や人生を判定するものではありません。

反対側の端では、表に7両2銭の詩もありますが、当サイトの表では四つの最大値(年1両9銭、月1両8銭、日1両8銭、時1両6銭)を足しても7両1銭なので、計算上は「此命生成大不同」で始まる7両1銭の詩がもっとも重い結果になります。全52段階の詩は称骨の重さの早見表で読めます。

『旧唐書』は袁天綱をどう書いているか

『旧唐書』巻一百九十一は、袁天綱を方伎伝に収め、「尤も相術に工みなり」(とりわけ人相見に長けていた)とはっきり書いています。後世によく知られる、幼い武則天の人相を見た話を含め、いくつもの人相見の逸話も記録されています。

ここから分かるのは、袁天綱が実在し、人相見として名声があったことです。現在の称骨の数値表を作った人物であることまでは分かりません。

『新唐書』から分かること

『新唐書』巻二百四も、袁天綱を方技に関する列伝に収め、人相見としての活動を伝えています。

二つの正史のどちらにも、次のことは書かれていません。

  • 2両1銭から7両2銭までの数値表
  • 52首の称骨歌を袁天綱が作ったこと
  • 現在の、四つの項目を表で引いて足す計算方法
  • 袁天綱が李淳風の師だったこと
  • 『推背図』の作者名を、称骨占いの作者の証拠にできること

正史に書かれていないからといって、この伝承がいつ生まれたかまでは断定できません。ただ少なくとも、外に向けて説明するときは「袁天罡の名が冠された伝承」「後世の伝承では袁天罡の作とされる」と表現するべきで、作者が確定しているかのように書くべきではありません。

52首の称骨歌は唐代の原作?

現在のところ、いま使われている52首を袁天綱の作品とはっきり記した、さかのぼって確かめられる唐代の一次資料は見つかっていません。信頼できる版の根拠がない以上、「後世に伝わった称骨歌」と呼ぶのが穏当です。

サイトによって数値が違うのも、このためです。多くのページが、版や底本を示さないまま、異なる現代のまとめを写しています。当サイトが約束できるのは確かめられることだけで、計算に使っているのは公開している同じ表です。

歴史が長ければ、称骨占いは当たる?

当たるとは言えません。歴史や文化としての価値と、予測の確かさは別のものです。称骨の解釈は伝統文化の枠組みに属し、性格、仕事、人間関係、健康、将来を科学的に評価したり予測したりするものではありません。

四つの表引きと足し算は確かめられますが、詩の内容が、健康、財産、結婚、仕事、将来の結果を証明することはできません。

自分の称骨の結果を確かめる手順

  1. 記録に残っている西暦の生年月日と出生時刻を使う。
  2. 旧暦への変換と干支年(旧正月前後の生まれは特に)を確認する。
  3. 同じ版の表で、四つの数値を一つずつ照らし合わせる。
  4. 出生時刻が分からないときに、午の刻などを仮に当てはめない。
  5. 詩は歴史・文化の資料として読み、大切な決断の根拠にしない。

結果の意味やよくある誤解については、骨重の読み方で続けて解説しています。暦の構造をもっと残した占いを知りたい方は四柱推命の命式作成も使えますが、そこでの解釈もやはり伝統的な枠組みの中のものです。

よくある質問

それでも「袁天罡の称骨」と呼ぶのはなぜですか?

すでに定着している呼び名で、実際に多くの人がこの名前で調べているからです。名前はそのまま使いつつ、「後世の伝承で名が冠されたもの」と明記することで、作者が確定していると誤解されるのを防いでいます。

正史の袁天綱は天文学者だったのですか?

ここで引用した袁天綱の伝記が中心に描いているのは人相見としての姿です。李淳風らの天文・暦の業績を、称骨表の作者である証拠に置き換えることはできません。

骨重が重いほど良い運なのですか?

伝統詩では、重い段階ほど富や名声を描く言葉が増える傾向があります。ただしそれは詩の表現の違いで、現実の人生の順位や優劣を表すものではありません。

どこで計算して、どこで確かめられますか?

称骨占いで旧暦への変換と内訳を確認し、年・月・日・時の重さの早見表と照らし合わせてください。詩を読む前に、骨重の意味と読み方の注意点にも目を通しておくと安心です。

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